海外の建築やインテリアの現場では、Japandi(ジャパンディ)の静けさをさらに深める動きが見られます。
先に結論からお伝えします。Beyond Japandi(ビヨンドジャパンディ)とは、Japandiの明るく均質な印象から一歩進み、暗い色調、陰影、触感豊かな自然素材へ関心を広げる海外インテリア文脈の新しい言い方です。
ただし、Beyond Japandi(ビヨンドジャパンディ)やDark Japandi(ダークジャパンディ)は、まだ単一の提唱者や明確な公式定義を持つ言葉ではありません。複数の海外メディアやデザイン関係者が、似た方向性をそれぞれの言葉で表現している段階と捉えるのが正確です。
すでにJapandiを取り入れている方の中には、「次はどう深めればいいのか分からない」「色を暗くするだけで終わってしまわないか」と感じている方も少なくないはずです。本記事では、Beyond Japandi、あるいはDark Japandiと呼ばれる潮流の正体と、それに高い適合性を持つ日本の工芸素材を、色調・質感・経年変化・空間用途まで具体的に整理します。
この記事で目指すのは、トレンドの表面をなぞることではありません。和紙、漆、檜、竹、金属、陶器、ガラスといった素材を、単なる「和風」の記号ではなく、現代空間にどう翻訳できるかを考えることです。
目次
Beyond Japandiとは何か?
結論から述べると、Beyond Japandiとは、Japandiが築いてきたミニマルな美意識を土台に、暗色・陰影・触感を重視する方向へ発展しつつあるインテリア文脈です。
Japandiという言葉は、日本的なミニマリズムとスカンディナビア的な簡素さ・温かさを組み合わせたインテリアスタイルとして、2020年前後から英語圏でも紹介されるようになりました。Cambridge Dictionary Blogでは、Japandiを「Japanese minimalism」と「Scandinavian simplicity」を組み合わせた住空間の潮流として紹介しています。
(参照:New words – 12 October 2020|Cambridge Dictionary Blog)
明るい木材、オフホワイトの壁、生成り色のファブリック、余白のある配置。こうした軽やかで整った空間は、Japandiの代表的なイメージとして広く定着しています。
一方で、2025年から2026年にかけて、海外のインテリア系メディアやライフスタイルメディアでは「Dark Japandi」「Beyond Japandi」といった言葉も見られるようになりました。たとえばHackreaは、2026年のJapandi傾向として、より暗い色調、質感、感覚的な素材、落ち着きのある空間への関心を紹介しています。
(参照:Japandi Style Interior Design Trends|Hackrea)
また、Luxury Lifestyle Magazineでは、英国のラグジュアリーインテリア文脈において、均質なJapandiから一歩進み、日本各地の意匠や侘び寂びの質感を取り入れる動きが「Beyond Japandi」として紹介されています。
(参照:Beyond Japandi: how this trending Japanese design is shaping the future of luxury British interiors|Luxury Lifestyle Magazine)
ただし、ここで注意したいのは、Beyond Japandiを確立済みの様式名として扱いすぎないことです。現時点では、複数のメディアが似た変化を別々の言葉で表している段階です。工芸ジャポニカではこの言葉を、Japandiの次の流行語ではなく、日本素材を現代空間にどう翻訳するかを考える入口として扱います。
JapandiとDark Japandiの違い
JapandiとDark Japandiの違いは、単に色を明るくするか暗くするかではありません。Japandiが軽さと開放感を志向するのに対し、Dark Japandiは、より包まれるような安心感、陰影、素材の重さを重視する傾向があります。
具体的には、明るいオーク材や生成り色の代わりに、ウォルナット、チャコール、深いオリーブ、黒、濃茶、鉄色のような落ち着いた色調が選ばれます。一方で、自然素材、最小限の装飾、機能的なミニマリズムというJapandiの核は維持されます。
編集長として一つ加えておきたいのは、この変化は単なる色替えではなく、「光と影をどう扱うか」という空間設計そのものの問いだということです。日本には古くから、光の量を競うのではなく、陰影の中に美しさを見出す感性があります。Dark Japandiが求めているのは、まさにこの陰影の扱い方であり、ここに日本の工芸素材が応えられる余地が大きいと考えています。
なぜ今、インテリアトレンドは「暗さ」と「触感」へ向かっているのか?

結論を言えば、均質で明るい空間に対する飽きと、肌で感じられる質感への欲求が、この変化の背景にあります。
近年の海外インテリアでは、冷たいミニマリズムよりも、texture、patina、warm browns、crafted objectsといった言葉が語られやすくなっています。これは、空間を視覚だけでなく、触感、音、光の反射、経年変化まで含めて捉える流れです。
Hackreaの記事でも、Japandiの変化として、暗い色調、質感の強い壁面仕上げ、感覚的なデザイン、自然素材の重なりが紹介されています。こうした流れは、家や店舗を単なる整った箱ではなく、滞在する人が落ち着きを感じられる場所にしたいという要請と関係していると考えられます。
(参照:Japandi Style Interior Design Trends|Hackrea)
AIやCGによるビジュアル表現が高度になるほど、私たちは均質で美しい表面を簡単に作れるようになりました。
しかし、画面の中の質感と、実際に手で触れる素材の質感は異なります。
和紙の繊維、漆の艶、竹のしなり、鉄の重さ、陶器の土味。これらは、画像として再現できても、空間の中で身体が受け取る感覚までは置き換えられません。Dark Japandiが求める触感は、デジタル時代に対する一種の反作用としての触感でもあるはずです。
編集長コメント
Beyond Japandiで本当に問われているのは、次のインテリア流行ではなく、日本素材をどこまで正確に、敬意を持って空間へ翻訳できるかです。暗い色を使うこと自体が目的ではありません。素材が持つ陰影、手触り、経年変化、そして作り手の時間をどう空間に残すかが重要です。
Dark Japandiに合う日本の工芸素材とは?
結論から言えば、和紙、漆、檜、竹、真鍮を含む銅合金、鉄、陶器・炻器、ガラスという素材は、それぞれ異なる色調・質感・経年変化を持ち、Dark Japandiが求める陰影と触感の両方に応えることができます。
重要なのは、これらを「和風」という記号としてひとまとめに扱わないことです。それぞれの素材には、長い歴史を経て確立された技法と、それを担う産地・作り手がいます。素材名だけを借りるのではなく、用途、耐久性、照明との相性、手入れ、調達経路まで含めて考える必要があります。
なお、伝統的工芸品に該当するかどうかは、素材名だけでは判断できません。経済産業省は、伝統的工芸品を「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づいて指定しており、2025年10月27日時点で国指定の伝統的工芸品は244品目です。
(参照:伝統的工芸品|経済産業省)
素材比較表(色調/質感/経年変化/照明適性/空間用途/メンテナンス性)
| 素材 | 色調の傾向 | 質感 | 経年変化 | 照明との相性 | 適した空間用途 | メンテナンス性 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 和紙 | 生成り色、白、淡い茶、墨色 | やわらかく、繊維の凹凸がある | 色味や風合いが変化する | 透過光・拡散光に向く | 建具、壁面、照明シェード、アートパネル | 湿気、摩耗、直射日光、破れに注意 |
| 漆 | 黒、朱、溜、栗色、深茶 | 滑らかで、深い艶がある | 使い方により艶や色の深みが増す | 間接照明の反射が美しい | 家具、食器、カウンター部材、アートピース | 急激な乾湿変化、直射日光、傷に注意 |
| 檜 | 淡いクリーム色、白木、飴色 | 滑らかな木目と香りがある | 淡い飴色へ変化する | 暖色照明と相性が良い | 浴室、建具、家具、床材、什器 | 水分管理、反り、表面処理を確認 |
| 竹 | 淡い黄色、飴色、焦げ色 | 軽く、しなやかで、編み目が出る | 使用とともに色が濃くなる | 影の表情を作りやすい | 壁面、建具、籠、照明、間仕切り | 乾燥、割れ、湿度、耐荷重を確認 |
| 真鍮・銅合金 | 金色、琥珀色、黒褐色 | 硬質だが温かみのある光沢 | 酸化により色合いが変化する | 反射光が強く、照明と相性が良い | 金物、取手、照明器具、サイン、什器 | 変色を味とするか、研磨するかを確認 |
| 鉄 | 黒、濃灰色、錆色 | マットで重厚 | 使用とともに表情が深まる | 暗い空間でも重心を作る | 調理器具、暖房器具、建築金物、什器 | 水分、湿気、錆対策、重量に注意 |
| 陶器・炻器 | 土色、白、黒、釉薬色 | 釉薬の有無で大きく異なる | 無釉のものは使用感が出る場合がある | 自然光や低い照明と相性が良い | 食器、花器、タイル、照明、アートピース | 釉薬の有無、吸水性、破損リスクを確認 |
| ガラス | 透明、色被せ、青、琥珀色 | 硬質で光を通す | 経年変化は比較的少ない | 反射・透過の両方を演出できる | 食器、照明、建具、装飾、アートピース | 衝撃、安全性、設置場所を確認 |
この比較表は、素材選びの入口です。実際の導入では、産地、作家、工房、施工条件、使用環境によって判断が変わります。特にホテルや店舗では、見た目の美しさだけでなく、清掃性、耐久性、修理可能性、設置後の管理まで考える必要があります。
用語解説(washi/urushi/hinoki/take/shinchu/tetsu/tōki・sekki/garasu)
和紙(washi) 英訳:Japanese handmade paper / traditional Japanese paper。楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)などの植物繊維を主原料とする紙です。福井県の越前和紙は、昭和51年6月2日に伝統的工芸品として指定されています。
(参照:越前和紙|伝統工芸 青山スクエア)
漆(urushi) 英訳:Japanese lacquer。漆の木から採取した樹液を塗料・接着剤として用いる素材です。石川県の輪島塗は、輪島地の粉(わじまじのこ)を用いた堅牢な下地で知られ、昭和50年2月17日に伝統的工芸品として指定されています。
(参照:輪島塗|伝統工芸 青山スクエア)
檜(hinoki) 英訳:Japanese cypress。香り、木肌、清潔感を持つ針葉樹材で、社寺建築、浴室、家具、什器などに広く使われてきました。空間に用いる場合は、香り、湿度、表面処理、反りへの配慮が必要です。
竹(take / bamboo) 英訳:bamboo。軽さ、しなり、編みの表情を持つ素材です。大分県の別府竹細工は、昭和54年、1979年に国指定の伝統的工芸品に認定されています。
(参照:TEWAZA 別府竹細工伝統工芸士作品展|別府市竹細工伝統産業会館)
真鍮(しんちゅう / shinchu) 英訳:brass。銅と亜鉛の合金で、酸化によって金色から琥珀色、黒褐色へと表情が変化します。真鍮を含む銅合金系の金属表現を考えるうえでは、富山県の高岡銅器のような金工産地も参考になります。高岡銅器は昭和50年2月17日に伝統的工芸品として指定されています。
(参照:高岡銅器|伝統工芸 青山スクエア)
鉄(tetsu) 英訳:iron。鍛造(たんぞう)・鋳造(ちゅうぞう)によって多様な質感を生む素材です。岩手県の南部鉄器は、鉄瓶の製造工程だけでも80以上の作業工程があると紹介されています。昭和50年2月17日に伝統的工芸品として指定されています。
(参照:南部鉄器|伝統工芸 青山スクエア)
陶器(とうき / tōki)・炻器(せっき / sekki) 英訳:pottery / stoneware / ceramics。釉薬(ゆうやく)の有無や焼成(しょうせい)方法によって、質感と扱い方が大きく異なります。岡山県の備前焼は、日本六古窯の一つに数えられ、千年の歴史を持つ陶器、厳密には炻器として紹介されています。昭和57年11月1日に伝統的工芸品として指定されています。
(参照:備前焼|伝統工芸 青山スクエア)
ガラス(garasu) 英訳:glass / Japanese glass craft。ガラス工芸の中でも、江戸切子のような切子はJapanese cut glassと説明できます。江戸切子は、天保5年、1834年に江戸大伝馬町のビードロ屋、加賀屋久兵衛がガラスの表面に彫刻したのが始まりと伝えられ、平成14年に国の伝統的工芸品に指定されています。
(参照:切子の歴史・文様・工程・定義|江戸切子協同組合)
各素材を空間にどう取り入れるべきか?
結論から言えば、各素材は「どこに、どれだけの光と湿度が当たるか」を基準に選ぶと、用途を誤りにくくなります。
和紙や竹は、自然光や暖色照明を柔らかく通すため、建具、照明シェード、壁面装飾、間仕切りに向いています。一方、漆、真鍮、鉄は、間接照明の反射や素材の重心を活かせる家具、取手、調理器具、カウンター部材、サイン、什器との相性が良い素材です。
陶器・炻器は、食器や花器、タイル、アートピースとして、空間の中に土の存在感を加えます。特に無釉の焼き物は、釉薬で覆われた器とは異なり、土そのものの質感が見えやすいため、Dark Japandiが求める触感と相性があります。
ガラスは、透過と反射の両方を演出できる素材です。暗い空間の中に少量の光を入れたい場合、照明、建具、器、アートピースとして効果を発揮します。特に切子のようなカットグラスは、光を受けて細かな反射を生み、空間に緊張感と華やぎを加えます。
ただし、どの素材も万能ではありません。和紙や漆は急激な乾湿変化や直射日光に弱く、金属は水分管理を誤ると変色や腐食が進むことがあります。竹や木材は湿度と乾燥の影響を受け、陶器やガラスは破損リスクがあります。素材を選ぶ際は、デザインの方向性だけでなく、設置場所の気候条件と使用頻度まで含めて検討することが欠かせません。
空間デザインする際に配慮すべき点
商業空間やホテル、オフィスへ日本の工芸素材を導入する場合は、家庭用とは異なる配慮が必要です。不特定多数が触れる場所では耐久性とメンテナンス体制を、宿泊施設や店舗では清掃のしやすさを、それぞれ事前に確認しておく必要があります。
複数の素材を組み合わせる場合は、施工後にメンテナンス担当者が変わっても扱い方が分かるよう、簡単な取扱い説明を残しておくことをおすすめします。特に漆、和紙、金属、陶器、ガラスは、素材ごとに避けるべき環境や扱い方が異なります。
日本の工芸素材を取り入れる際に気をつけるべきことは?
結論から言えば、最も避けたいのは、素材を「和風」という記号として扱い、技法や産地への理解を欠いたまま導入してしまうことです。
よくある誤解の一つは、和紙を障子紙としてしか認識していないケースです。和紙には、襖(ふすま)紙、版画用紙、書道用紙、日本画用紙、封筒、便箋など、多様な用途があります。越前和紙も、木版画、襖紙、印刷、免状、書道、日本画など幅広い製品が紹介されています。
(参照:越前和紙|伝統工芸 青山スクエア)
漆についても「高価で扱いにくい」という印象だけで判断されがちですが、適切な環境で使えば長く使い続けられる素材です。一方で、直射日光や急激な乾燥に弱い面もあるため、用途に応じた確認が必要です。
陶器も、釉薬の有無や焼成方法によって性質がまったく異なります。すべてを同じ基準で扱うことはできません。ガラスも、透明な板ガラス、吹きガラス、切子では、空間での見え方も扱い方も変わります。
編集長として申し添えたいのは、これらの素材の背景には必ず産地と作り手の手があるということです。トレンドの一部として消費される前に、その素材がどこで、誰の手によって、どのような技法で作られているのかを知る姿勢が、結果として空間の質も高めることになります。
文化庁は、文化財修理に不可欠な天然素材や用具について、生産者・製作者の高齢化、減少、後継者不足が課題になっていると説明しています。工芸素材を空間に取り入れることは、単なる装飾ではなく、素材と技術を支える需要をどうつくるかという視点にもつながります。
(参照:用具・原材料の確保|文化庁 文化財の匠プロジェクト)
日本の工芸素材導入前チェックリスト
- 設置場所の湿度・温度・直射日光の条件を確認したか
- 想定する用途、壁面・建具・家具・照明・小物と素材の特性が合っているか
- 不特定多数が触れる場所か、鑑賞中心の場所かを整理したか
- メンテナンス担当者が変わっても扱い方が分かる説明を用意しているか
- 素材の産地・技法・伝統的工芸品としての指定状況を確認したか
- 調達ルート、作家、工房、産地組合、正規の取扱店を確認したか
- 作家名・工房名・産地名を表示するか決めているか
- 価格は作家・作品・流通経路によって異なることを踏まえ、個別に確認したか
- 海外発送や海外での設置が必要な場合、輸送・保険・破損対応を確認したか
- 素材の背景を説明するカード、QRコード、英語説明を用意するか検討したか
編集長コメント
工芸品を空間に入れるとき、私は「良い作品を置けば空間が良くなる」とは考えていません。むしろ、良い作品ほど、置き方を間違えると力を発揮できません。素材、照明、距離、説明、導線まで整って初めて、工芸は空間の一部になります。
よくある質問(FAQ)
- Q1. Beyond JapandiとDark Japandiは同じ意味ですか?
- A1. 厳密に同一の定義があるわけではありません。どちらもJapandiの均質な明るさから一歩進み、暗い色調、陰影、触感を重視する方向性を表す言葉として使われています。ただし、現時点では公式に定義された様式名ではなく、海外インテリア文脈で広がりつつある表現と考えるのが適切です。
- Q2. JapandiとWabi-sabiはどう違いますか?
- A2. Japandiは日本とスカンディナビアの様式を組み合わせたインテリアスタイルを指す言葉です。一方、侘び寂びは、不完全さや経年変化、余白の中に美を見出す日本の美意識です。Japandiは空間スタイル、侘び寂びは美意識として整理すると分かりやすいです。
- Q3. 日本の工芸素材を取り入れる際、最初に確認すべきことは何ですか?
- A3. 最初に確認すべきことは、設置場所の湿度・光・人の接触頻度です。素材の見た目だけで選ぶのではなく、耐久性、清掃性、メンテナンス方法まで確認する必要があります。
- Q4. 漆や和紙は耐久性がありますか?メンテナンスはどうすればよいですか?
- A4. いずれも適切な環境で使えば長く使える素材です。ただし、急激な乾湿変化や直射日光は避ける必要があります。実際の手入れ方法は、産地、工房、作家、製品ごとの案内に従うことをおすすめします。
- Q5. ホテル・店舗・オフィスに日本の工芸素材を導入したい場合、どこに相談すればよいですか?
- A5. 工芸ジャポニカ編集部でも、空間の用途や規模に応じた素材・産地・工房選定のご相談を承っています。ホテル、旅館、店舗、オフィス、ギャラリー、ショールームなど、用途に応じて導入方法を整理できます。
- Q6. 海外で日本の工芸素材・工芸品を購入する際に注意すべき点はありますか?
- A6. 産地組合や工房の公式な販路を確認し、伝統的工芸品としての指定状況や製造背景を把握したうえで選ぶことをおすすめします。価格は作家・作品・流通経路によって異なるため、個別確認が必要です。
- Q7. Dark Japandiに最も取り入れやすい日本素材は何ですか?
- A7. 初めて取り入れる場合は、和紙の照明、陶器の花器、真鍮や鉄の金物、竹の小さな什器などが比較的導入しやすい素材です。空間全体を変える前に、光や触感を点で加えると失敗しにくくなります。
まとめ:トレンドを越えて、素材と向き合うために
Beyond JapandiやDark Japandiという言葉は、海外のインテリアメディアが見出した、まだ輪郭の定まらない潮流の呼び名です。しかし、そこで求められている「陰影」と「触感」は、日本の工芸素材がもともと持っている価値そのものでもあります。
和紙の透過光、漆の艶、竹のしなり、真鍮や鉄の経年変化、無釉の陶器が見せる土の表情、ガラスの透明感。これらはトレンドのために生まれたものではなく、長い年月をかけて産地と作り手が育ててきたものです。
トレンドに「乗る」ことと、素材に「向き合う」ことは、似ているようで異なる行為だということです。暗い色や自然素材を取り入れるだけなら、どの空間でもできます。しかし、その素材がどこで生まれ、どのような技法で作られ、どのように使い続けられるのかまで考えることで、空間の質は大きく変わります。
工芸ジャポニカでは、今後もこうした海外の潮流と日本の工芸素材の接点を、表層的な紹介ではなく、技法と産地への敬意を保ったまま伝えていきます。










