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Home»伝統工芸イベント»2026年夏の日本工芸展ガイド|百花繚乱・民藝・染織

2026年夏の日本工芸展ガイド|百花繚乱・民藝・染織

2026年6月23日 伝統工芸イベント 5 Views
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2026年夏の日本工芸展ガイド|百花繚乱・民藝・染織

2026年夏に日本工芸展を選ぶなら、東京都美術館の大英博物館日本美術コレクション「百花繚乱」、日本民藝館の民藝展、そして日本伝統工芸染織展を軸に見ると分かりやすくなります。

夏の展覧会情報は、会期や会場だけを見ても、どれを優先すべきか迷いやすいものです。初めて工芸展を訪れる方、工芸や日本美術を深く見たい方、海外から訪日する方、展示企画や地域プロモーションの参考にしたい方では、見るべきポイントが変わります。

この記事では、2026年夏に行きたい日本工芸展・日本美術展を、話題性だけでなく、素材、技法、来歴、展示の意味から整理します。工芸を単なる「和風」や「日本らしさ」の記号として消費せず、作品がどこで生まれ、どのように移動し、どのように保存・展示されてきたのかまで含めて見ていきます。

目次

  • 2026年夏に行きたい日本工芸展とは?まず知っておきたい3つの注目展
  • 「百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」はどんな展覧会?
    • 会期・会場・基本情報
    • 見どころ|初里帰りの肉筆画と150年ぶりに再会する襖絵
  • なぜ大英博物館に日本美術が多く所蔵されているのか
  • 民藝・染織の展覧会も見逃せない理由
    • 日本民藝館「創設90年記念 柳宗悦と日本民藝館」
    • 染織の伝統工芸展について
  • 目的別に選ぶ|あなたに合った工芸展はどれ?
  • よくある質問(FAQ)
  • 海外から訪れる読者へ|知っておきたい文化的背景

2026年夏に行きたい日本工芸展とは?まず知っておきたい3つの注目展

2026年夏に押さえておきたいのは、東京都美術館の「百花繚乱」、日本民藝館の「創設90年記念 柳宗悦と日本民藝館」、そして第60回日本伝統工芸染織展の3系列です。

もっとも話題性が高いのは、東京都美術館開館100周年記念として開催される「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」です。会期は2026年7月25日から10月18日まで、会場は東京都美術館です。会期終了後は、大阪中之島美術館へ巡回し、2026年10月31日から2027年1月31日まで開催予定です。
(参照:開催概要|百花繚乱公式サイト)

一方で、工芸の思想や生活の道具に関心がある方には、日本民藝館の「創設90年記念 柳宗悦と日本民藝館」も重要です。会期は2026年6月6日から8月12日までで、日本民藝美術館設立趣意書の刊行から100年、日本民藝館の創設から90年という節目にあたる展示です。
(参照:特別展 創設90年記念 柳宗悦と日本民藝館|日本民藝館)

さらに、染織(せんしょく)を専門的に見たい方には、第60回日本伝統工芸染織展があります。日本工芸会の公式情報では、福岡会場は2026年7月15日から7月20日まで、福岡三越9階「三越ギャラリー」で開催予定です。観覧料は無料とされています。
(参照:第60回日本伝統工芸染織展|公益社団法人日本工芸会)

展覧会名 会場 会期 主な見どころ 向いている読者
大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画 東京都美術館 2026年7月25日から10月18日 江戸絵画、浮世絵、初里帰り作品、大英博物館の日本美術コレクション 初めての方、海外ゲスト、工芸・日本美術ファン
創設90年記念 柳宗悦と日本民藝館 日本民藝館 2026年6月6日から8月12日 柳宗悦、民藝運動、日本民藝館の歩み、生活の道具の美 民藝、器、暮らしの工芸に関心がある方
第60回日本伝統工芸染織展 福岡三越9階「三越ギャラリー」など巡回会場 福岡会場は2026年7月15日から7月20日 着物、帯、組紐、染めと織りの技術 染織、着物、素材、技法に関心がある方

工芸ジャポニカ内では、2026年6月以降の工芸展をまとめた関連記事も公開しています。夏の展覧会をさらに広く比較したい方は、あわせてご覧ください。

kogei-japonica.com/media
2026年6月から行きたい日本工芸展9選|染織・陶芸・工芸公募展
https://kogei-japonica.com/media/events/kogei-exhibition-2026/
2026年6月から秋にかけて、全国各地で日本工芸に関する展覧会や公募展、巡回展が続きます。染織、陶芸、地域工芸、現代手工芸、工芸とIPの接点まで、これから開催予定の展示を中心に整理しました。この記事では、今後開催される日本工芸関連の展覧会・イベントを9件取り上げ、会期・会場・ジャンル・入場料・見どころを紹介します。単なるイベント一覧ではなく、素材や技法、展示の文脈、読者タイプ別の選び方まで、工芸ジャポニカ編集部の視点で解説します。この記事でわかること2026年6月以降に開催予定の日本工芸関連イベント染織、...

「百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」はどんな展覧会?

「百花繚乱」は、大英博物館が所蔵する日本美術コレクションから、江戸時代の絵画と浮世絵を中心に紹介する大規模な日本美術展です。

公式サイトによると、本展では大英博物館の約4万点におよぶ日本コレクションから、屏風(びょうぶ)、掛軸(かけじく)、絵巻(えまき)などの絵画作品、歌麿(うたまろ)、写楽(しゃらく)、北斎(ほくさい)、広重(ひろしげ)らを含む代表的な浮世絵師の版画などが紹介されます。
(参照:みどころ|百花繚乱公式サイト)

工芸展という言葉から、陶芸、漆芸、金工、染織だけを想像する方もいるかもしれません。しかし、屏風や掛軸、絵巻、版画には、紙、絹、表装(ひょうそう)、摺(す)り、保存、修復といった工芸的な技術が深く関わっています。その意味で「百花繚乱」は、日本美術展でありながら、工芸ファンにとっても見る価値の高い展覧会です。

会期・会場・基本情報

東京都美術館開館100周年記念
大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画

100th Anniversary of the Tokyo Metropolitan Art Museum Edo in Focus: Japanese Treasures from the British Museum

  • 会場:東京都美術館(東京・上野公園)
  • 会期:2026年7月25日(土)〜10月18日(日)
  • 開室時間:9:30―17:30
  • 休室日:月曜日、10月13日(火)
  • 主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、大英博物館、朝日新聞社、NHK、NHKプロモーション
  • オフィシャルサイト:https://daiei-ten2026.exhibit.jp/

大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画

Edo in Focus: Japanese Treasures from the British Museum

  • 会場:大阪中之島美術館
  • 会期:2026年10月31日(土)~2027年1月31日(日)
  • 開場時間:午前10時~午後5時(入場は午後4時30分まで)
  • 休館日:月曜日、11月24日(火)、12月31日(木)、1月1日(金・祝)、1月12日(火)
  • 主催:大阪中之島美術館、大英博物館、朝日新聞社、NHK大阪放送局、 NHKエンタープライズ近畿
  • オフィシャルサイト:https://daiei-ten2026.exhibit.jp/

東京会場の正式名称は「東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」です。会場は東京都美術館、会期は2026年7月25日から10月18日までです。

チケットについては、公式サイトで前売券と通常券の観覧料が発表されています。前売券の販売期間は2026年6月25日10時から7月24日23時59分までです。
一般は前売2,100円、通常2,300円、大学・専門学校生は前売1,100円、通常1,300円、65歳以上は前売1,400円、通常1,600円です。18歳以下、高校生以下は無料とされています。

また、公式サイトでは、本展は入場に際して日時指定予約は不要と案内されています。ただし、混雑状況により入場制限や日時指定への変更が行われる場合があります。訪問前には必ず最新情報を確認してください。
(参照:チケット|百花繚乱公式サイト)

会期終了後は、大阪中之島美術館へ巡回し、2026年10月31日から2027年1月31日まで開催予定です。東京と大阪で会期が異なるため、遠方から訪れる場合は会場を取り違えないように注意しましょう。

見どころ|初里帰りの肉筆画と150年ぶりに再会する襖絵

「百花繚乱」の見どころは、江戸絵画や浮世絵の名品をまとめて見られることだけではありません。作品が海を越え、長い時間を経て再び日本で公開されるという来歴そのものにも注目したい展覧会です。

公式サイトでは、喜多川歌麿の肉筆画(にくひつが)《文読む遊女》が、日本で初公開される初里帰り作品として紹介されています。肉筆画とは、版画ではなく、絵師が筆で直接描いた一点物の絵画です。浮世絵というと木版画を思い浮かべがちですが、肉筆画には刷り物とは異なる筆致や画面の緊張感があります。
(参照:みどころ|百花繚乱公式サイト)

また、葛飾北斎の『万物絵本大全図』版下絵(はんしたえ)も注目されています。版下絵とは、木版画を彫る際に彫師が版木に貼り、彫刻のもとにする下絵です。完成した版画では見えにくい、絵師の線や制作の前段階を考えるうえで貴重な資料です。

さらに、本展では長らく各地に分かれていた襖絵(ふすまえ)が再会する構成も紹介されています。屏風や襖絵は、絵画であると同時に、空間を仕切り、場をつくる装置でもあります。絵を見るだけでなく、建築、空間、保存、移動の歴史を合わせて考えたいところです。

編集長コメント

「百花繚乱」は、華やかな大型展として楽しめる一方で、海外へ渡った日本美術をどう見るかという問いも含んでいます。工芸ジャポニカとしては、作品を「里帰りした名品」として称えるだけでなく、誰が収集し、どのように保存し、なぜ今展示されるのかまで見つめたいと考えます。作品の美しさと来歴の複雑さを、どちらも消さずに見ることが、工芸や日本美術への敬意につながります。

用語解説ボックス|浮世絵・肉筆画・版下絵とは

浮世絵(うきよえ)
江戸時代に発展した絵画・版画の分野です。役者、美人、名所、物語、風俗など、当時の町人文化を反映した題材が多く見られます。

肉筆画(にくひつが)
版画ではなく、絵師が筆で直接描いた一点物の絵画です。同じ図柄を複数刷る木版画とは異なり、筆遣いや絵具の重なりを直接見ることができます。

版下絵(はんしたえ)
木版画を制作する際、彫師が版木に貼って彫るための下絵です。完成した版画とは別に、制作工程や絵師の線を知るための重要な資料になります。

なぜ大英博物館に日本美術が多く所蔵されているのか

大英博物館の日本美術コレクションは、長い収集、研究、保存の歴史によって形成されてきました。だからこそ「百花繚乱」は、名品を見るだけでなく、日本美術が海外でどのように受け止められてきたかを考える展覧会でもあります。

公式サイトでは、大英博物館の日本コレクションは約4万点におよび、同館の創設当初から収蔵品に日本由来のものが含まれていたと説明されています。また、日本コレクションには、縄文時代から現代までの幅広い時代の作品が含まれ、絵画、木版画、陶磁器、漆芸品、金工品、織物などが収蔵されています。
(参照:大英博物館|百花繚乱公式サイト)

この背景には、19世紀後半以降に西洋で広がったジャポニズムもあります。日本の版画、陶磁器、漆芸、染織などは、ヨーロッパの芸術家、収集家、研究者に大きな影響を与えました。ただし、それを単純に「世界に評価された日本美術」とだけ語るのは十分ではありません。

作品が海外へ渡る背景には、交易、収集、贈与、購入、研究、時代の不均衡など、さまざまな事情があります。すべてを一つの物語に回収することはできません。だからこそ、今回のような展覧会では、作品そのものの美しさと同時に、収集の背景や保存の歴史にも目を向ける必要があります。

編集長として強調したいのは、海外所蔵の日本美術を「奪われたもの」とだけ見るのでも、「海外が認めた名品」とだけ見るのでもなく、作品ごとの来歴(らいれき)に向き合う姿勢です。来歴とは、作品がどこで作られ、誰の手を経て、どこに所蔵され、どのように展示されてきたかを示す履歴です。工芸や美術は、作られた瞬間だけでなく、その後の移動と保存によっても意味を帯びていきます。

民藝・染織の展覧会も見逃せない理由

2026年夏は「百花繚乱」の話題性に注目が集まりやすい時期ですが、民藝と染織の展覧会も、工芸を深く理解するうえで見逃せません。

大型の日本美術展では、絵師や作品名、所蔵館のスケールが前面に出ます。一方で、民藝や染織の展示では、名の残りにくい作り手、日常の道具、素材の選択、技法の積み重ねが見えてきます。工芸を「名品鑑賞」だけで終わらせず、生活や身体に近いところから考えるためには、この二つの視点が欠かせません。

日本民藝館「創設90年記念 柳宗悦と日本民藝館」

日本民藝館「創設90年記念 柳宗悦と日本民藝館」
柳宗悦と日本民藝館|公益財団法人 日本民芸館

日本民藝館の「創設90年記念 柳宗悦と日本民藝館」は、2026年6月6日から8月12日まで開催されています。公式情報では、柳宗悦が1936年に日本民藝館を設立してから90年を迎えることを機に、同館の歩みと民藝運動の思想を振り返る展示とされています。
(参照:特別展 創設90年記念 柳宗悦と日本民藝館|日本民藝館)

民藝(みんげい)とは、柳宗悦らが提唱した「民衆的工藝」をめぐる思想と運動です。無名の職人による日常の器物に美を見出した点がよく語られますが、単なる「素朴な道具」や「昔ながらの暮らし」を懐かしむための言葉ではありません。

民藝展を見るときは、器の形や色だけでなく、なぜその器物が選ばれ、どのように展示され、どのような言葉で価値づけられてきたのかを見ることが大切です。そこには、作り手、使い手、収集家、展示者の視点が重なっています。

民藝を海外の方に説明する場合も、単に「Japanese folk craft」と訳すだけでは不十分です。日常の道具に宿る美を見出す近代日本の思想・運動として説明すると、より正確に伝わります。

染織の伝統工芸展について

www.nihonkogeikai.or.jp
第60回日本伝統工芸染織展-公益社団法人日本工芸会
https://www.nihonkogeikai.or.jp/exhibition/textiles/60/?tab=work#sort=number
公益社団法人日本工芸会は、無形文化財の保護育成のために伝統工芸の技術の保存と活用、伝統文化向上に寄与することを目的としています。第60回日本伝統工芸染織展の開催情報、受賞作品、入選作品をご覧いただけます。

染織を専門的に見たい方には、第60回日本伝統工芸染織展が重要です。日本工芸会の公式情報によると、同展は染織工芸技術の保存・育成と創意ある展開を目的に開催されてきた展覧会です。着物、帯、組紐(くみひも)など、染めと織りの技術を尽くした作品が紹介されます。
(参照:第60回日本伝統工芸染織展|公益社団法人日本工芸会)

福岡会場は、2026年7月15日から7月20日まで、福岡三越9階「三越ギャラリー」で開催予定です。開場時間は10時から19時まで、観覧料は無料とされています。また、会期中には列品解説も予定されています。最新情報は、日本工芸会公式サイトで確認してください。

染織展を見るときは、完成した布や着物だけでなく、糸、染料、織りの密度、文様の配置、身体にまとったときの見え方まで意識すると理解が深まります。染めは色や文様を布に与える技法であり、織りは経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の構成によって布を生み出す技法です。

布は一見すると平面的に見えますが、実際には時間と身体性を含む工芸です。糸を選び、染め、織り、文様を配置し、身にまとうことまで考えられています。そこに染織の奥行きがあります。

目的別に選ぶ|あなたに合った工芸展はどれ?

初めて工芸展や日本美術展に行く方は「百花繚乱」から、工芸の思想を知りたい方は日本民藝館へ、素材と技法を深く見たい方は日本伝統工芸染織展へ向かうと選びやすくなります。

展覧会選びでは、会期や話題性だけでなく、自分が何を知りたいのかを先に整理すると失敗しにくくなります。作品名を知りたいのか、工芸の思想を知りたいのか、素材と技法を見たいのか、海外の友人に案内したいのかによって、優先順位は変わります。

比較表|2026年夏の主要展覧会一覧

目的 おすすめ展覧会 理由 事前確認ポイント
初めて工芸・日本美術展に行く 百花繚乱 江戸絵画、浮世絵、大英博物館という分かりやすい入口があるため チケット、開室時間、混雑、日時指定の変更有無
海外ゲストを案内したい 百花繚乱 英語タイトルも用意され、日本美術の海外所蔵という文脈を説明しやすいため 英語情報、アクセス、会期、観覧料
民藝や暮らしの道具を深く知りたい 創設90年記念 柳宗悦と日本民藝館 民藝運動と日本民藝館の歩みを合わせて理解できるため 開館時間、休館日、入館料、関連講演
染めや織りの技法を見たい 第60回日本伝統工芸染織展 染織に特化し、着物、帯、組紐などの作品を比較できるため 会場、列品解説、巡回会期、観覧料
展示企画や空間演出の参考にしたい 百花繚乱、民藝館、染織展 大型展、思想展示、技法展示の違いを比較できるため 導線、照明、解説文、展示什器、図録

法人や自治体、ホテル、旅館、店舗の担当者が視察する場合は、作品そのものだけでなく、展示の導線、照明、解説文、図録、関連イベントにも注目しましょう。工芸は、作品を置くだけでは十分に伝わりません。どの素材を、どの空間で、どの言葉とともに見せるかによって、体験の質が変わります。

工芸ジャポニカでは、工芸を活かした展示・イベント・地域プロモーション、海外向け発信、工芸作家・工房とのコラボレーション相談も受け付けています。鑑賞を入口に、空間づくりや事業企画へつなげたい方は、工芸ジャポニカの公式サイトをご確認ください。

チェックリスト|行く前に確認したいこと

工芸展や日本美術展に行く前には、次の項目を確認しておくと安心です。

  • 公式サイトで会期と休館日を確認したか
  • 開室時間と最終入室時間を確認したか
  • チケット料金、前売券、無料対象を確認したか
  • 日時指定予約の有無を確認したか
  • 混雑時の入場制限について確認したか
  • 展示替えや作品の出品期間を確認したか
  • 撮影可否を確認したか
  • 図録や関連書籍の販売を確認したか
  • 講演会、列品解説、ワークショップの有無を確認したか
  • 海外ゲストと行く場合、英語情報や説明用の用語を確認したか

特に2026年夏の「百花繚乱」は注目度の高い展覧会になることが予想されます。公式サイトでは現時点で日時指定予約は不要と案内されていますが、混雑状況により変更される場合があるため、来館直前の確認をおすすめします。
(参照:チケット|百花繚乱公式サイト)

よくある質問(FAQ)

2026年夏の工芸展・日本美術展について、迷いやすい点を一問一答で整理します。

Q1.2026年夏にまず行くなら、どの展覧会がおすすめですか?
初めてなら、東京都美術館の「百花繚乱」がおすすめです。江戸絵画、浮世絵、大英博物館の日本美術コレクションという分かりやすい入口があります。
Q2.「百花繚乱」は工芸展ですか?日本美術展ですか?
中心は江戸絵画や浮世絵を紹介する日本美術展です。ただし、屏風、掛軸、絵巻、版画には、紙、表装、摺り、保存などの工芸的な視点が深く関わっています。
Q3.「百花繚乱」のチケット情報は発表されていますか?
はい。公式サイトで前売券、通常券、限定チケットなどの情報が発表されています。前売券は2026年6月25日10時から7月24日23時59分まで販売予定です。
Q4.「百花繚乱」は東京以外でも見られますか?
東京会場の終了後、大阪中之島美術館へ巡回予定です。大阪会場の会期は2026年10月31日から2027年1月31日までです。
Q5.民藝展は初心者にも楽しめますか?
楽しめます。難しい思想から入るより、器や道具の形、使いやすさ、素材、展示の並び方を見ると理解しやすくなります。
Q6.染織展では何を見ればよいですか?
糸、染料、染め、織り、文様の配置、着用時の見え方に注目すると理解が深まります。完成した布だけでなく、制作の時間を想像して見ることが大切です。
Q7.海外から訪れる人に説明するなら、どの展覧会が向いていますか?
「百花繚乱」は英語タイトルも用意され、海外所蔵の日本美術という文脈を説明しやすい展覧会です。民藝や染織を案内する場合は、用語の補足を用意しておくと伝わりやすくなります。
Q8.会期や料金はどこで確認すべきですか?
必ず美術館、展覧会公式サイト、主催団体、会場公式サイトで確認してください。SNSやまとめ記事だけで判断しないことが大切です。

海外から訪れる読者へ|知っておきたい文化的背景

海外から日本の工芸展・日本美術展を訪れる場合は、「Kogei」「Mingei」「Senshoku」「Ukiyo-e」などの言葉を、単なる直訳ではなく文化的背景とともに理解すると鑑賞が深まります。

「工芸」は英語で「Japanese craft」や「Kogei」と説明されますが、土産物や装飾品だけを指す言葉ではありません。素材、技法、地域、使い方、作り手の判断が重なった表現です。

「民藝」は英語でも「Mingei」と表記されることが多く、無名の職人による日常の道具に美を見出す思想・運動を指します。単に「folk craft」と訳すだけでは、柳宗悦らが提唱した近代的な美の問いが伝わりにくくなります。

「染織」は「textile dyeing and weaving」と説明できます。着物だけでなく、糸、染料、織りの構造、文様、身体との関係まで含む分野です。

また、「百花繚乱」では「里帰り」という表現が重要です。これは海外の美術館やコレクションに所蔵されている日本美術が、一時的に日本で公開されることを指す言葉です。ただし、作品の移動にはそれぞれ異なる来歴があるため、単純に「故郷に戻った」とだけ受け止めるのではなく、収集、保存、研究の歴史にも目を向けたいところです。

東京都美術館の英語版公式サイトでは、本展は「Edo in Focus: Japanese Treasures from the British Museum」として案内されています。海外の友人や家族と情報を共有する場合は、英語版の公式情報を確認すると伝えやすくなります。
(参照:Edo in Focus: Japanese Treasures from the British Museum|Tokyo Metropolitan Art Museum)

工芸ジャポニカとしては、2026年夏の展覧会を単なるイベント情報としてではなく、作品の来歴、素材、技法、思想に触れる機会として見てほしいと考えています。「百花繚乱」の華やかさ、民藝の静かな問い、染織の技術の積み重ね。そのどれもが、日本の工芸と美術を考える大切な入口になります。
展覧会を訪れる前には公式情報を確認し、自分の関心に合う展示を選んでみてください。

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佐藤 誠一|Kogei Japonica 編集長
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日本の伝統文化の魅力を世界へ発信する専門メディア「Kogei Japonica」編集長。アート・メディア・テクノロジー領域を横断する専門家として、複数のデジタルメディアの統括や、国内外の芸術祭を支援するデジタルプロジェクトの責任者を務める。
最先端のAI・デジタル表現にも深く精通しており、「伝統工芸」と「テクノロジー」を掛け合わせることで、工芸のサステナビリティと新たな文化発信のあり方を推進。人間国宝から若手作家まで現代の工芸シーンにおける一次情報や現場でのリサーチを重んじ、独自の編集視点とメディア運営の知見を通して、日本の工芸文化の「今」を深く、分かりやすく伝えている。

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