十日戎(とおかえびす)は、商売繁盛を願う関西最大級の新春行事として知られ、毎年1月9〜11日に全国から多くの参拝者が訪れます。とりわけ注目されるのが、職人が手がける福笹の縁起物で、細工細工や吉兆飾りには地域ごとの工芸技が息づいています。
本記事では、縁起物工芸の背景や意味、参拝の流れとマナー、そして2026年に訪れたい主要神社の特徴まで、文化的・実用的視点から総合的に解説します。
初めて十日戎を訪れる方はもちろん、伝統行事や工芸文化を深く味わいたい読者にも役立つ「完全ガイド」としてご活用いただけます。
目次
十日戎とは?商売繁盛を願う関西最大級の新春行事
十日戎(とおかえびす)は、毎年1月9日・10日・11日の三日間にわたり、関西一円のえびす神社で行われる「商売繁盛」を祈願する新春行事です。なかでも大阪の今宮戎神社、西宮神社、京都ゑびす神社は“三大えびす”と呼ばれ、毎年多くの参拝者が訪れます。
境内では、商売繁盛を象徴する「福笹」を吉兆店の福娘が授与し、熊手・小判・鯛などの飾りが付いた縁起物を選ぶ楽しみもあります。江戸期から商人文化が栄えた関西で深く根付いた行事で、景気づけの意味も込めて企業・個人事業主・店舗経営者など幅広い人々が参拝するのが特徴です。2026年も例年通り三が日後の華やかな新春イベントとして、多くの参拝客でにぎわうことが予想されます。
2026年(令和8年)の十日戎(とおかえびす)開催概要
今宮戎神社 十日戎
- 開催日:1月9日・10日・11日
- 御参拝:十日戎期間24時間可能
- 福笹授与:7時から翌1時
- 料金:参拝料/福笹は無料、福笹に付けて装飾する縁起物の「吉兆」は有料
- アクセス:〒556-0003 大阪府大阪市浪速区恵美須西1-6-10
- オフィシャルサイト:https://www.imamiya-ebisu.jp/
西宮神社 十日えびす
- 開催日:1月9日・10日・11日
- 福笹の授与時間:1月9日 8:00~24:00 / 1月10日 6:00~翌1:00頃 / 1月11日 8:00~翌1:00頃
- 開門神事福男選び:1月10日の早朝
- 料金:参拝料は無料、福笹は大3,000円、小1,500円
- アクセス:〒662-0974 兵庫県西宮市社家町1-17
- オフィシャルサイト:https://nishinomiya-ebisu.com/about/
京都ゑびす 十日戎
- 開催日:1月8日〜12日
- 8日 招福祭 9:00~23:00
- 9日 宵ゑびす祭 9:00~夜通し開門
- 10日 十日ゑびす大祭 夜通し開門
- 11日 残り福祭 ~24:00
- 12日 撤福祭 9:00~22:00
- 料金:参拝料は無料、福笹は3,500円
- アクセス:〒605-0811 京都府京都市東山区小松町125 恵美須神社
- オフィシャルサイト:https://www.kyoto-ebisu.jp/
2026年の十日戎は例年通り、1月9日「宵戎」、10日「本戎」、11日「残り戎」の三日間で開催されます。
今宮戎神社(大阪市浪速区)、西宮神社(兵庫県西宮市)、京都ゑびす神社(京都市東山区)をはじめ、関西各地のえびす神社で福笹や吉兆の授与、商売繁盛祈願のご祈祷、露店・屋台の出店などが行われ、早朝から深夜まで参拝者でにぎわいます。特に10日の本戎は最も混雑し、福娘による福笹授与や名物の「走り参り」(参拝者が神社内で走る参拝様式)を見物する人で活気に満ちています。
2026年は1月10日が土曜日に当たり、連休との並びによって例年以上の来場が見込まれ、企業・商店の代表者や個人事業主の参拝需要が高まることが予想されます。参拝は早朝帯(午前5時~7時)が比較的スムーズで、屋台を楽しみたい場合は夕刻以降(午後4時~夜間)が最も賑わう時間帯となります。なお、混雑回避を考慮した参拝を希望される場合は、宵戎(1月9日)の夜間帯での参拝も選択肢として考えられます。
祭りの由来:恵比寿信仰と”商売繁盛の神”が広まった歴史
十日戎の中心となる”えびす様”は、七福神の一柱であり「商売繁盛の神」「豊漁の神」として古くから信仰されてきました。起源は平安期から中世にかけて諸説ありますが、もともとは漁業や海の安全を司る神として信仰され、それが中世以降に商人の守護神として受け入れられました。
江戸時代に大阪・堺・兵庫などの商業都市が発展すると、恵比寿信仰は急速に広まり、今宮戎や西宮神社には多くの商人が”年の初めの願掛け”として参拝するようになります。十日戎で授与される福笹や吉兆は、恵比寿が持つ”繁栄”と”幸運”の象徴として商人たちに縁起物として親しまれ、現代でもその伝統が続いています。
福笹には、開運招福、商売繁盛、家内安全などを願う願札が付けられることが多く、吉兆(えびす提灯、鯛、小槌など)はそれぞれが具体的な願いを表現する装飾品として機能しています。
こうした歴史的背景から十日戎は「一年の商売運を占う」重要な行事として根強く受け継がれているのです。
関西に根付く理由:大阪・神戸・京都での地域的背景
大阪府
十日戎が特に関西で発展した理由は、地域の商人文化と密接に結びついています。大阪は古来より「天下の台所」と呼ばれ、江戸時代には商業の中心地として商人層が厚く、恵比寿信仰が商売繁盛祈願と自然に融合したことが大きな要因です。明治時代には、魚市場(雑喉場)、材木商組合、麻苧商組合、蝋商組合、漆商組合、金物商組合など、各業種の商人組合が講社を結成し、十日戎はより一層盛んになりました。
兵庫県
兵庫・神戸では、港町としての歴史的背景から平安時代の大輪田泊(おおわだのとまり)、12世紀の平清盛による人工島建設、江戸時代の北前船の航路拠点としての性格があり、漁業と商業の信仰が重なり、えびす神への親和性が高まりました。神戸中央卸売市場からのマグロ・タイ・ブリなどの海の幸が奉納される伝統は、こうした港町の性格を反映しています。
京都府
京都は建仁2年(1202年)に栄西禅師が建仁寺を建立する際に、その鎮守として京都ゑびす神社(恵美須神社)が創建されて以来、約800年の伝統を持ちます。長い伝統文化と職人町の歴史を持ち、手工業・商工業の守護として恵比寿が受け入れられました。京都ゑびす神社では、舞妓や女優が福笹を授与する独自の行事が行われ、文化と信仰が共存する姿勢が特徴です。なお、京都ゑびす神社は笹を御札の形態として最初に広めた神社であり、現在の福笹のスタイルは京都発祥とされています。
こうした土地柄により、関西では「仕事始め」と「福を呼ぶ行事」が一体となり、十日戎が地域文化として定着しました。現在では、地元企業・商店街・職人組合・商業組合なども参拝に訪れ、淡路人形浄瑠璃などの伝統芸能も奉納される「産業と信仰が共存する”関西らしい正月行事”」として受け継がれています。
十日戎2026年の見どころと参拝ポイント
十日戎は、商売繁盛を願う関西の新春行事として広く知られていますが、境内で授与される「福笹」には、実は竹細工・紙細工・錺金具(かざりかなぐ)など、伝統的な縁起物工芸が色濃く残っています。
2026年も1月9〜11日の三日間、今宮戎・西宮神社・京都ゑびす神社などで大規模に行われ、各日ごとに雰囲気が異なるのが特徴です。特に本戎は最もにぎわい、福娘から福笹を受け取る参拝客で活気に包まれます。授与される縁起物ひとつひとつには意味があり、職人の手仕事によって作られた“工芸的な縁起飾り”の魅力にも触れられるのが十日戎ならではの楽しみです。
宵戎・本戎・残り戎の違いと3日間の意味
十日戎は1月9日の「宵戎」から始まり、10日の「本戎」、11日の「残り戎」で締めくくられます。宵戎は一年の福を迎える“場を整える日”で、比較的ゆったりと参拝でき、福笹や縁起物をじっくり選びたい人に向いています。本戎は最もにぎわい、神社によっては福男選びや特別行事が行われる中心日です。
境内では、竹細工を骨組みにした福笹が大量に並び、次々と参拝者に手渡されていく様子は見応えがあります。残り戎は“残り福を授かる日”とされ、混雑が落ち着くため、家内安全・商売繁盛の祈願とともに、縁起飾りの意味を確かめながら参拝しやすい日です。
三日間を通して雰囲気が変わるため、自分の目的に合わせて日を選ぶと、より深い参拝体験ができます。
名物「福娘」と授与行事:吉兆・福笹・縁起物の種類と由来
十日戎の象徴ともいえるのが、福娘による“福笹”の授与です。福笹は青竹でつくられた笹に縁起飾りを結び付けたもので、この縁起飾りには多くの伝統工芸的要素が詰まっています。たとえば、金色の小判や千両箱は錺金具職人が手掛ける金属細工、宝船や熊手は木工・紙細工の技を使って作られています。
鯛飾りは商売繁盛の象徴として古くから受け継がれ、俵や箕(み)は豊穣を意味する農具を模した民藝的モチーフです。こうした飾りはそれぞれ意味を持ち、笹につける数や組み合わせを自分で選べる神社もあります。
福娘が軽やかに福笹を振る姿は華やかですが、その裏には“縁起飾りを作り続ける職人文化”が存在し、十日戎は工芸の需要が最も高まる季節行事でもあります。参拝の際は、飾りの意味を知りながら選ぶと、より愛着を持って一年を過ごせるでしょう。
夜の境内演出と屋台エリアの魅力
夜の十日戎は、境内がライトアップされ、笹の緑と金色の吉兆が光に照らされて華やかな雰囲気になります。
特に福笹につけられた金属細工や紙飾りが光を反射し、昼とは違った工芸的な美しさを楽しめるのが魅力です。
屋台エリアは夕方以降に最も混雑しますが、関西らしく多種多様な露店が並び、食べ歩きや縁日遊びも楽しめます。混雑を避けたい場合は、宵戎の夕方または残り戎の朝が比較的スムーズです。家族連れは早めの時間帯、写真撮影や縁起飾りをじっくり見たい方は夜のライトアップ時間が向いています。
工芸的な視点で境内を歩いてみると、福笹の作り、細工の違い、神社ごとの飾りの個性がよく見え、十日戎ならではの“縁起物の世界”をより深く味わうことができます。
主要神社別の特徴と歩き方ガイド
十日戎は関西一円で行われますが、神社ごとに雰囲気・授与される福笹の飾り・参拝動線が異なります。とくに今宮戎(大阪)、西宮神社(兵庫)、京都ゑびす神社の三社は「関西三大えびす」とされ、毎年多くの参拝客が訪れます。
境内のにぎわい方や飾り物のバリエーション、神社独自の行事などを知っておくと、より深く十日戎を楽しむことができます。また、福笹につける吉兆飾りは竹・紙・木工・金属細工などを組み合わせた“縁起物工芸”としての側面も強く、神社によって微妙にデザインが異なるのも面白いポイントです。ここでは三社それぞれの特徴と歩き方のコツをご紹介します。
今宮戎神社(大阪):全国的知名度を誇る“商売繁盛の総本山”
今宮戎神社は十日戎の“総本山”と呼ばれるほど人気が高く、三日間で100万人以上が参拝する年もあります。境内は縁起物工芸の宝庫で、福笹につける吉兆飾りの種類が特に豊富です。金色の小判・俵・鯛の飾りのほか、竹細工を使ったミニ熊手や、色紙細工の宝船など、大阪らしい華やかさが際立ちます。
福娘による福笹授与は今宮戎の名物で、笹の根元を軽く振る「商売繁盛で笹持ってこい!」のかけ声とともに熱気に包まれます。歩き方のポイントとしては、本戎(10日)は非常に混雑するため、宵戎(9日)の夕方や残り戎(11日)の午前中を狙うと比較的スムーズです。
また、商店街から神社へ続く参道には屋台が多く並び、縁起物の職人店が点在しているため、福笹の飾りを工芸の視点で見比べる楽しさもあります。
西宮神社(兵庫):福男選びで知られる本戎の熱気
西宮神社は、全国的に有名な「福男選び」が行われる神社です。10日早朝、開門と同時に走り抜け、最も早く本殿に到着した人が“福男”となる行事で、本戎の開始を象徴する迫力満点のイベントです。
境内には、木彫りの縁起物や、金箔を使った吉兆飾りなど、兵庫の工芸文化を反映した飾りが並ぶのが特徴です。関西のえびす信仰の中心地にふさわしく、飾り物はやや落ち着いた品のあるデザインが多く、企業経営者や商店主がまとめて授与を受けに来る姿が目立ちます。
歩き方としては、本戎の朝〜昼は最も混雑するため、福男選びの見学をしない場合は夕方以降や残り戎を狙うのがおすすめです。福笹の飾り職人が出す屋台も複数あり、木工細工や紙細工を近い距離で見られるのも西宮戎ならではの魅力です。
京都ゑびす神社:古都らしい落ち着いた参拝体験と文化的魅力
京都ゑびす神社は、古都・京都らしい落ち着いた雰囲気が魅力で、十日戎の期間中も街並みと神社の空気が調和した上品な参拝体験ができます。他の二社に比べると混雑は緩やかで、福笹や吉兆飾りをじっくり選びたい人に向いています。
飾り物は京都らしい繊細な意匠が多く、木彫りの恵比寿像や紙細工の宝船、色を抑えた錺金具など、工芸性の高い職人仕事が特徴です。また、京都は和紙・水引・漆・木工などの産地に近いため、縁起物に使われる素材が“本格的な工芸材料”であることも多い点が魅力です。
歩き方のコツとしては、境内が比較的コンパクトなので、混雑を避けたい場合は午前中がおすすめです。古い町家が並ぶ花街・祇園エリアとも近く、十日戎と工芸店めぐりを組み合わせた散策プランも楽しめます。
参拝マナーと縁起物の選び方
十日戎では「福笹」を中心に、熊手・宝船など多くの縁起物が授与されますが、それぞれの意味を知って選ぶと、より参拝が充実したものになります。とくに福笹につく飾りは、竹・紙・木・錺金具などの職人技が生きた“縁起物工芸”で、種類や組み合わせにはしっかりとした由来が残っています。
また、商売の形態や働き方によって選ぶべき飾りが異なるため、どれを付けるか事前に考えておくと迷いにくくなります。参拝後は一年間大切に飾り、翌年に返納するのが基本のマナーです。ここでは、縁起物の意味から選び方、正しい扱いまでをわかりやすく解説します。
福笹・熊手・宝船の違いとご利益の考え方
十日戎で最も象徴的なのが「福笹」です。青竹の笹は“繁栄・成長・清らかさ”の象徴で、そこに結ぶ吉兆飾りが商売繁盛の運気を呼び込むとされます。鯛や小判・俵などの飾りは、それぞれ金運・豊穣・事業成功を表し、神社によっては職人が手掛けた木工・紙細工・金属細工が使われています。
一方「熊手」は“福をかき集める”道具として関東の酉の市でも有名で、大阪十日戎でも竹細工で作られた小型熊手が人気です。「宝船」は七福神が乗る縁起モチーフで、特に“新しい年に福を運ぶ存在”として古くから親しまれています。
商売形態別の選び方:店舗・フリーランス・会社経営者向け
商売形態によって、福笹に付ける縁起物の向き不向きが変わります。
店舗経営(飲食・物販)
店先に飾ることが多いため、視認性が高い鯛・宝船・大判小判など“見てわかる福”がおすすめです。竹細工の熊手を合わせると“客を呼び込む”願いが強まり、店構えにも華やかさが出ます。
フリーランス・個人事業主
自宅兼仕事場に飾る場合は、大ぶりすぎる飾りよりも、俵・千両箱・小判など“堅実に積み上げる”意味のモチーフが人気です。紙細工の宝船など軽量で扱いやすいものも向いています。
会社経営者・チームを率いる立場
事業規模拡大・取引運増加を願う場合、宝船や大黒天モチーフの飾りを福笹に追加するのが一般的です。金属細工の飾りは存在感があり、取引先との応接室に飾ると“繁栄を願う意志”が伝わりやすく、企業文化としても好印象です。
いずれも大切なのは「飾りに込められた象徴性を理解して選ぶこと」で、十日戎は一年の運気をデザインする機会ともいえます。
返納方法と翌年へのつなぎ方:正しい扱いと保管の注意点
十日戎でもらった福笹や縁起物は、基本的に1年間飾り、翌年の十日戎で返納します。返納の際は、神社の「古笹納所」や「古札納所」に収めるのが正式な方法です。返納は十日戎期間中に限らず、通年で受け付けている神社がほとんどです。今宮戎神社の場合、返納時間は午前6時~午後10時までとなっており、郵送での返納も可能で、その際は伝票の品名欄に「古笹」もしくは「古札」と記載します。
飾る場所は、玄関・店舗入口・事務所など「人が出入りする場所」が良いとされます。より理想的には、神棚がある場合は神棚に、ない場合は「目線よりも高い清潔な場所」に飾ることが推奨されます。飾る方角は南向きか東向きが吉とされており、これは太陽が通る道(南)、太陽が昇る場所(東)として、天照大神の力強いパワーを受け取るとされているためです。直射日光と湿気を避けることが長持ちのコツであり、埃がついたら軽く払う程度で十分です。洗ったり分解したりする必要はありません。
翌年は新しい福笹をいただくことで「運気の更新」ができるとされ、返納から授与までのサイクルは、商売の区切りをつける意味でも大切です。福笹は竹と紙・金属を組み合わせた工芸品として、一年ごとに新しい細工に触れられるのは十日戎ならではの楽しみといえるでしょう。返納は元の神社で受けるのが最も適切ですが、遠方で参拝が困難な場合は、近所の神社でも返納を受け付けていることが多いため、事前に確認するとよいでしょう。
交通アクセス・混雑対策・安全ガイド
十日戎の三日間は、どの神社も早朝から深夜まで多くの参拝客が訪れ、周辺交通は例年かなり混雑します。とくに今宮戎・西宮神社・京都ゑびす神社などの主要神社では、駅構内の人の流れが大きく偏ることが多いため、少し時間帯をずらして訪れるだけでも快適さが変わります。
また、小さな子どもや高齢者がいる場合は、安全に歩けるルート選びがとても重要です。寒さが厳しい季節でもあるため、防寒・防犯・体調管理の準備を整えておくと安心して参拝できます。以下では、2026年版として想定される混雑傾向、家族連れ向けの安全ルート、防寒と体調管理のポイントをまとめます。
交通規制と最寄駅の混雑傾向:ピーク回避の来場時間
十日戎期間中は、最寄駅から神社にかけての道路・商店街が人で埋まり、場所によっては歩行者専用道路や一方通行規制が敷かれます。
ピークは本戎(10日)の夕方〜夜で、屋台利用が増える時間帯と重なるため、家族連れや混雑を避けたい方には注意が必要です。
混雑をなるべく避けたい場合は次の時間帯が目安です。
- 宵戎(9日)……午前中〜午後は比較的スムーズ
- 本戎(10日)……早朝6時〜8時/深夜21時以降が狙い目
- 残り戎(11日)……終日やや落ち着き気味で歩きやすい
西宮神社の場合、3日間通して100万人以上の参拝者が訪れるため、どの時間帯も大変混雑します。
少しでも人混みを避けたい方は、宵戎や残り戎の早朝時間帯がおすすめです。電車のホームは特に人が滞留しやすいため、子ども連れや高齢者はエスカレーター付近を避けて改札へ向かうと安全です。
小さな子ども連れ・高齢者向けの安全な参拝ルート
十日戎はにぎやかで楽しい行事ですが、混雑時は圧迫されやすい場所も多く、安全ルートを意識して動くことが大切です。
小さな子ども連れの場合は、ベビーカーより抱っこ紐が推奨されます。参道は段差や石畳が多く、人波でベビーカーの移動が難しい場面が多いためです。
高齢者の場合は、階段・急な段差を避けられる脇道ルートや、空いた裏参道がある神社を選ぶと安心して歩けます。
混雑がピークになる夕方は転倒リスクが上がるため、午前中の参拝がベストです。
また、福笹や熊手などを持ち歩くときは、飾りが人に当たらないよう身体の前に抱えるように持つと安全です。
写真を撮るときも、荷物を斜め掛けにするなど両手が空く状態を意識するとスムーズに参拝できます。
防寒・防犯・体調管理:冬の祭りならではの準備
十日戎は真冬の行事であり、夜間は特に冷え込みます。参拝が長時間に及ぶこともあるため、手袋・カイロ・厚手のマフラーなどの防寒対策が必須です。足元は踏まれにくく滑りにくいスニーカーがおすすめで、ヒールや革靴は避けたほうが安心です。
また、混雑時はスリや落とし物が起こりやすいため、財布は前ポケットかファスナー付きバッグへ。スマホは写真撮影で頻繁に取り出すため、ストラップ付きカバーにすると事故を防げます。
体調管理としては、飲食は屋台で済ませる場合が多いので、水分補給をこまめに行うことが大切です。人混みで熱気がこもる一方、夜風に当たると急激に冷えるため、上着は脱ぎ着しやすいレイヤー構造にすると快適です。冬の祭りは「温度差への備え」が快適さを大きく左右します。
まとめ
十日戎は、商売繁盛を願う関西の新春行事として親しまれていますが、境内で授与される福笹には、竹細工・紙細工・木工・錺金具など、伝統的な縁起物工芸が息づいています。参拝日ごとに雰囲気が異なり、各神社の個性や飾りの違いを楽しめるのも魅力です。
福笹・熊手・宝船といった縁起物にはそれぞれ意味があり、商売形態に合わせて選ぶと一年の願いがより具体的なものになります。また、子ども連れ・高齢者向けのルート選びや防寒対策を整えることで、混雑のなかでも安全に参拝できます。
工芸的な視点と参拝者の視点をあわせ持つことで、十日戎は「縁起」と「手仕事」の両方を味わえる、奥深い行事として楽しめるでしょう。
