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Home»伝統技術»堆朱(ついしゅ)とは?歴史・制作工程・鑑賞ポイントまで詳しく紹介

堆朱(ついしゅ)とは?歴史・制作工程・鑑賞ポイントまで詳しく紹介

2025年10月1日1 Min Read 伝統技術 2 Views
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堆朱(ついしゅ)とは?歴史・制作工程・鑑賞ポイントまで詳しく紹介

「堆朱(ついしゅ)」は、漆を幾重にも塗り重ねて彫刻を施すことで生まれる、重厚で立体感のある加飾技法です。
深みのある朱色と精緻な文様が特徴で、中国から伝来し、日本でも長い歴史の中で発展を遂げてきました。

その独特の存在感は美術工芸品として高く評価され、茶道具や装飾品に広く用いられています。
しかし、堆朱の魅力を正しく理解するには、歴史的背景や制作工程、鑑賞の際に注目すべきポイントを知ることが欠かせません。この記事では、それらを詳しく紹介します。

目次

  • 堆朱(ついしゅ)とは?
    • 漆を何十層も重ねる理由と厚みの目安
    • 胎(たい)の違い(木胎・乾漆胎・金属胎)で変わる手触り
    • 色バリエーション:堆朱・堆黒・多色彫漆の特徴
  • 堆朱の歴史と各地での発展
    • 中国における起源と展開
    • 日本への伝来と受容
    • 近代以降の評価と継承
  • 堆朱(ついしゅ)の制作工程
    • 塗り重ね:厚みを築く第一段階
    • 乾燥:時間と環境が生む堅牢さ
    • 彫刻:漆層に命を吹き込む仕上げ
  • 堆朱の鑑賞ポイントと現代的な価値
    • 美術館で堆朱を鑑賞する視点
    • 茶道具としての堆朱
    • コレクションと現代的な価値
  • まとめ

堆朱(ついしゅ)とは?


堆朱は、中国に起源を持ち、日本でも発展した彫漆技法のひとつです。
漆を幾重にも塗り重ね、その厚みを彫刻することで文様を浮かび上がらせるのが特徴です。

単なる塗りの美ではなく、漆そのものを素材として扱う高度な技法であり、漆工芸の中でも特に手間と時間を要します。
表面に彫り込まれた模様は、漆層の色や厚みが立体感を生み、重厚で華麗な印象を与えます。

日本では「堆朱(赤)」「堆黒(黒)」「彫漆(多色)」として発展し、茶道具や箱、仏具などに広く用いられてきました。
ここでは、漆を重ねる理由と厚みの目安、胎の種類による違い、さらに色のバリエーションについて解説します。

漆を何十層も重ねる理由と厚みの目安

堆朱の最大の特徴は、漆を何十層にも塗り重ねて厚みを出す点にあります。
通常の漆塗りは数層から十数層程度ですが、堆朱の場合は100層以上を重ねることもあり、その厚さは数ミリから1センチ近くに達します。

これほどまでに層を重ねるのは、後の彫刻作業に耐え得る強度と深みを確保するためです。
十分な厚みがなければ、模様を彫る際に下地が露出してしまい、仕上がりの美観を損ねます。また、層が厚いほど模様に立体感が増し、光の陰影が豊かに表現されます。

塗りと乾燥を繰り返す工程は数ヶ月から数年を要し、完成まで長期間をかけて作り上げられるのが堆朱の大きな魅力であり、希少性を高める理由でもあるのです。

胎(たい)の違い(木胎・乾漆胎・金属胎)で変わる手触り

堆朱に用いられる胎(芯材)には、木胎・乾漆胎・金属胎の三種類があります。

木胎(もくたい)

木胎は朴(ほお)や栃(とち)などの木地に漆を幾重にも塗り重ねる方法で、軽量かつ温かみのある手触りが特徴です。


 

乾漆胎(かんしつたい)

乾漆胎は木や粘土などで原型を作り、麻布を漆で貼り重ねて成形した後、原型を取り去って中空にする技法です。軽量でより自由な造形が可能となり、表面も均一で滑らかになります。脱活乾漆(脱乾漆)と木心乾漆の2種類に分かれ、前者は土の原型、後者は木の原型を用います。

 

金属胎(きんぞくたい)

一方、金属胎は銅や銀、真鍮などの金属を芯材に用いたもので、重量感と堅牢性に優れ、ひんやりとした手触りを持ちます。中国の堆朱では銅胎が多く用いられ、その重厚感と耐久性から長期間の使用に適しています。

それぞれの胎は仕上がりの質感や重量に大きく影響し、用途や美的効果に応じて選ばれます。
工芸家は胎ごとの特性を理解し、表現したい意匠や使用目的に合わせて適切な素材を用います。

日本の村上木彫堆朱では主に木胎を使用し、使い込むほどに深みのある艶へと変化する独特の魅力を持ちます。
胎の違いを知ることで、堆朱の多彩な表情をより深く味わうことができるでしょう。

色バリエーション:堆朱・堆黒・多色彫漆の特徴

堆朱はその名の通り朱漆を重ねたものが代表的ですが、他にも黒漆を用いた「堆黒」、複数の色を層にした「多色彫漆(彫漆)」があります。
堆朱は鮮やかで力強い朱色が特徴で、華やかさと格式を備えています。

堆黒は落ち着いた漆黒の中に彫り文様が浮かび上がり、重厚で静謐な美を感じさせます。堆朱の華やかさに対し、玄人好みの落ち着いた色調が特徴とされます。

一方、多色彫漆では朱・黒・緑・黄などを層ごとに塗り重ね、彫る深さによって色が切り替わるため、複雑で豊かな表現が可能です。
特に花を朱色に、葉を緑色に彫り表す「紅花緑葉」技法は代表的な多色彫漆として珍重されます。

中国では宋時代10世紀以降に彫漆が盛んに作られ、室町時代には「唐物漆器」として日本に輸入されました。
これらの中国彫漆の影響を受け、日本では鎌倉彫をはじめ独自の発展を遂げました。村上木彫堆朱では、朱・黄・緑・黒の順に塗り重ねる「三彩彫」という独特の技法も生まれています。

色の選択や組み合わせは作品の印象を左右するため、工芸家の美意識が最も表れる部分ともいえるでしょう。
各家によって朱色に微妙な違いがあり、それがその一族のカラーとなることもあります。

堆朱の歴史と各地での発展

堆朱は中国で誕生し、日本へと伝わり独自の発展を遂げた技法です。
漆を幾重にも重ねて彫刻するという発想は、漆工芸の高度化とともに生まれました。

中国では宮廷文化のもとで豪華絢爛な意匠が追求され、日本では茶の湯文化に溶け込み、より繊細で静謐な美意識が表現されました。
地域ごとに用途や意匠の方向性が異なりつつも、漆を「彫る」発想は共通し、漆芸の多様性を広げてきました。ここでは、中国における起源と展開、日本での受容と変容について見ていきます。

中国における起源と展開

堆朱の起源については唐代(7〜9世紀)にさかのぼるとされますが、現存する最古の作品は宋時代のもので、宋代から本格的な発展が始まりました。
中国では「彫漆(ちょうしつ)」または「剔紅(てきこう)」と総称され、堆朱・堆黒・多色彫漆などが作られました。

宋代には剔紅や剔犀(てきさい)が誕生し、元代には「張成」「楊茂」などの名工が現れ、職人が作品の底に自分の名前を刻む習慣が生まれました。
明代には皇宮が監督する漆器作り専用の「果園厰(かえんしょう)」が設置され、全国各地の優秀な職人が北京に集められました。

明代の堆朱は暗い色が多く、模様も太い線が特徴的でしたが、花鳥や吉祥文様を深く彫り込んだ豪華な作品が盛んに制作され、宮廷や富裕層で珍重されました。
漆層の厚みは100回の塗り重ねで約3ミリ程度が一般的で、彫刻刀で施された文様は力強さと精緻さを兼ね備えています。

清代では色は明るめになり、模様も細かい線で描かれるようになるなど、さらに装飾性が増し、屏風や大型家具にも応用されました。
特に乾隆帝の時代には、より複雑で豪華な作品が宮中に納められ、堆朱は中国漆芸の象徴的存在となりました。中国における堆朱は、技術力の高さと美術的完成度を示す文化遺産として今も評価されています。

日本への伝来と受容

日本には鎌倉時代以降、中国から渡来した堆朱作品が禅宗とともに伝わり、寺院の仏具や宝物として収蔵されました。
室町時代には明代の堆朱が「唐物」として盛んに輸入され、茶人や武家の間で高く評価されます。

特に茶の湯の広まりとともに、堆朱の重厚な質感は茶道具に適するとされ、棗や盆、香合などに用いられました。
鎌倉彫もこの影響で誕生し、室町時代末頃から茶道具として広く普及しました。

江戸時代には村上地方で日本独自の「村上木彫堆朱」が発展し、中国式の漆を厚く塗り重ねる技法ではなく、予め木地に彫刻を施してから漆を塗る独特の技法が確立されました。
これは江戸時代中期に武士によって始められ、藩主の奨励により町民にも広がりました。

日本では華やかな文様よりも、落ち着きや侘び寂びに通じる意匠が選ばれる傾向があり、茶の湯文化の美学に適応していきました。
堆朱は使い込むほどに透明感のある艶を増し、時の経過とともに深みを増す特性も侘び寂びの精神と合致しています。このように堆朱は、中国の壮麗さから日本の静謐さへと表情を変え、両国で異なる価値観を映し出してきたのです。

近代以降の評価と継承

近代以降、堆朱は美術工芸品として国際的に評価を受けました。
19世紀の万国博覧会を通じて日本の漆器が「ジャポニスム」の一環として西洋で熱狂的に受け入れられ、堆朱を含む漆工芸品も「Japan」と称される高級工芸品として人気を博しました。

日本では明治期に政府の殖産興業政策により漆芸が輸出産業として振興され、堆朱もその一環として制作されましたが、膨大な時間とコストがかかるため次第に数を減らしていきます。
一方で、国内では「伝統的工芸品」として保護制度が確立され、村上木彫堆朱は昭和30年(1955年)に新潟県文化財、昭和51年(1976年)に国の伝統的工芸品に指定されました。

現代では、中国で北京四大工芸の一つとして国家的に保護され、「非物質文化遺産」に登録されています。
日本では堆朱楊成一門が南北朝時代から現代まで21代にわたり技術を継承し、文化財修復や高級工芸の分野で活動を続けています。
伝統工芸士制度により技術者の認定・育成が行われ、約4000名の現役伝統工芸士のうち7%という稀少性のある資格として位置づけられています。

堆朱は生産効率の面で不利ながらも、その重厚さと唯一無二の存在感から、今もコレクターや美術愛好家にとって特別な価値を持ち続けています。
特に中国経済の成長に伴い、古美術市場では堆朱・堆黒の価格高騰が続いており、希少性の高い作品への関心が高まっています。

堆朱(ついしゅ)の制作工程

堆朱の魅力は、漆を幾重にも塗り重ね、その厚みを生かして文様を彫り出す緻密な工程にあります。
通常の漆器制作が十数層程度で仕上がるのに対し、堆朱では数十層から百層以上を重ねるため、完成までに数年を要することもあります。

漆を塗る、乾かす、研ぐという工程をひたすら繰り返し、十分な厚みを確保した後にようやく彫刻に入ります。
漆そのものを素材として扱うため、塗師と彫師の双方に高度な技術と忍耐が求められるのが特徴です。ここでは、塗り重ね、乾燥、彫刻という三段階に分けて堆朱の制作の流れを解説します。

塗り重ね:厚みを築く第一段階

堆朱制作の出発点は、漆を幾度も塗り重ねて層を積み上げる作業です。
まず胎(木胎・乾漆胎・金属胎)に「木固め」として生漆と紅殻を混ぜたものを塗り、木地全体に漆をしみ込ませて堅牢な基礎を作ります。その後、本格的な塗り重ねに入ります。

一度に厚塗りすると乾燥が不十分となり表面に縮みができて剥離の原因となるため、必ず髪の毛1本分程度の薄塗りを徹底し、数日間かけて乾燥させることが基本です。
中国の堆朱では朱漆を300〜500回塗り重ね、100回の塗り重ねで約3ミリの厚みを形成します。

村上木彫堆朱では、予め木地に彫刻を施してから漆を塗るため、彫刻部分を埋めないよう指頭(指の腹)やタンポで叩きながら塗り、刷毛で調整します。
厚からず薄からずに、指先に細心の注意を払いながら辛抱強く塗り続けていきます。

漆の厚みは後の彫刻の深さや文様の立体感を決定づけるため、塗り師は最終イメージを想定しながら根気強く作業を続けます。
この工程の正確さが、堆朱の完成度を左右する最重要の基盤といえるでしょう。

乾燥:時間と環境が生む堅牢さ

塗り重ねた漆を確実に定着させるには、適切な乾燥工程が欠かせません。漆の乾燥は一般的な「乾く」という概念と異なり、空気中の水分を取り込んで酸化重合する化学反応で硬化します。
そのため、温度20〜25℃、湿度70〜80%に調整された「漆風呂」や「漆室(むろ)」という専用の乾燥室で一定の条件を保ちながら乾かします。

乾燥が不十分だと表面だけが硬化して内部に水分が残り、後にひび割れや剥離の原因となります。
特に急激に高湿度の環境に入れると、表面だけが硬化して「縮み(皺・シボ)」になったり、中まで乾かないことになるため、塗った後は通常の室温で4時間程度空気に触れさせてから漆風呂に入れます。一層ごとに十分な時間(基本的には半日〜一日)をかけ、均一に乾燥させることが求められます。

漆は自然素材であるため乾燥に時間がかかり、季節や産地の気候に合わせた調整が必要です。
梅雨時期は最も乾燥が早く、冬場は乾燥しやすく温度も低いため、暖房や加湿器を使って温湿度を調整する必要があります。完全に乾くには表面硬化から半年以上を要し、この積み重ねによって漆層は堅牢さを増し、彫刻に耐えうる強度を備えます。

乾燥工程は目に見えない部分ですが、乾燥時間によって漆の色の出方も変わり、最終的な堆朱の美観と耐久性を支える要の役割を果たしています。

彫刻:漆層に命を吹き込む仕上げ

十分な厚みと堅牢さを備えた漆層が完成すると、いよいよ彫師による彫刻工程に移ります。
彫刻刀を用いて漆の層を削り出し、文様を浮かび上がらせる作業は、堆朱の最大の見どころです。

彫る深さや角度によって陰影が生まれ、漆層の色彩と光沢が立体的に表現されます。
特に多色彫漆の場合は、層ごとに異なる色が現れるため、彫りの深さを調整しながら複雑で豊かな模様を描き出します。

彫刻の線が滑らかで均一であること、全体の構図と調和していることが重要であり、一刀ごとに高度な集中力が求められます。
漆を「塗る」から「彫る」へと転換するこの工程こそが、堆朱を唯一無二の工芸へと昇華させる瞬間なのです。

堆朱の鑑賞ポイントと現代的な価値

堆朱は、漆を幾重にも塗り重ねて彫刻することで生まれる立体的な文様と重厚な存在感が魅力です。
鑑賞においては、彫りの深さや線の滑らかさ、漆層の厚みによる陰影の豊かさを見極めることが大切です。

さらに、茶道具や調度品として使われる場面では、実用性と美観が調和している点も評価されます。
現代では、美術館展示のほか、茶人や工芸コレクターの間で再び注目されており、文化財修復やアート市場においても価値が高まっています。ここでは、美術館での鑑賞、茶道具としての活用、コレクション価値という三つの観点から堆朱を捉えていきます。

美術館で堆朱を鑑賞する視点

美術館で堆朱を見る際は、まずその厚みと彫りの精緻さに注目すると魅力が際立ちます。
光を受けた漆の層は彫刻によって複雑な陰影を生み、単なる装飾ではなく立体的な造形美を楽しむことができます。

また、中国や日本の堆朱作品を比較すると、意匠や彫りの雰囲気に大きな違いが見られます。
中国の作品は豪華絢爛な花鳥文や吉祥文が多く、日本の作品は茶道文化に合わせた落ち着いた意匠が目立ちます。

展示では、作品の表面だけでなく側面や裏面の処理にも注目することで、制作技術の高さをより深く理解できます。
美術館での鑑賞は、堆朱が持つ「時間と労力を重ねて完成する美」を体感できる絶好の機会といえるでしょう。

茶道具としての堆朱

日本において堆朱は、茶道具として特に高い評価を受けてきました。
棗や香合、盆といった道具に堆朱が施されると、漆黒の茶室空間に赤や黒の彫刻が映え、静謐さの中に力強い存在感を放ちます。

茶人たちは、堆朱の重厚さと彫刻の陰影に美を見出し、道具を通じて侘び寂びの精神を深めてきました。
また、堆朱は漆層が厚いため堅牢であり、実用面でも長期にわたって使用できる点が茶道具に適しています。

使用するほどに漆の艶が増し、時間とともに風格が備わるのも堆朱ならではの魅力です。
現代でも茶会において堆朱の道具は重宝され、伝統文化の中で生き続ける工芸としての価値を維持しています。

コレクションと現代的な価値

堆朱は、その希少性と高度な技術から、現代でもコレクターズアイテムとして高い評価を受けています。
制作には膨大な時間と労力がかかるため、現存する作品数は限られ、特に状態の良い古作や名工による作品は美術市場で高値で取引されます。

加えて、文化財修復においても堆朱の技法は不可欠であり、職人の技術継承は文化保護の観点からも重要視されています。
近年ではアート作品や現代デザインとの融合が進み、ジュエリーやインテリア分野でも堆朱の美が応用されています。

こうした広がりは、堆朱を単なる伝統工芸から「現代に生きるアート」へと押し上げ、今後も価値が高まり続けることを示しているでしょう。

まとめ

堆朱は、漆を幾重にも塗り重ねて彫刻することで生まれる、漆芸の中でも特に高度な技法です。
中国では豪華な宮廷文化の象徴として、日本では茶の湯と結びつき静謐な美を表現する道具として、それぞれ独自の発展を遂げてきました。

制作には膨大な時間と熟練技術が必要であり、その重厚さと立体的な文様は他の工芸にはない存在感を放ちます。
現代では美術館展示や茶道具としてだけでなく、コレクションや現代デザインの分野にも応用され、その価値はさらに高まっています。
堆朱を鑑賞・所有することは、漆芸が培ってきた時間の積層を手に取る体験といえるでしょう。

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